2025年1月13日(月)放送
まだ知られていない世界が広がる深海。水族館で展示されている深海生物はどうやってし入手しているのか?実は、駿河湾で深海底引き網漁をしている漁師さんにお願いして、獲れた深海生物を持って帰って展示をしているのだそう。(こちらは「私たちは海の90%を知らない 〜深海の謎に迫る〜」のWEB中編です。前編はこちら)
深海水族館の激レアな漁を見てみたい!と、いうことで、朝4時の港へ。
池の水ぜんぶ抜く大作戦でもおなじみ、静岡大学の加藤英明博士を緊急招集!生物のスペシャリスト加藤先生ですら初体験!という深海の底引き網漁に密着する。
今回はメンダコを狙って、水深200〜300m付近を探すと言う。この水深には明かりは届かず真っ暗。水圧が高く水温が冷たい環境。海の表面温度と10度以上の温度差があるため、深海生物は揚がってくるときのダメージが大きいのだそう。そのため、少しでもダメージが少ない11〜5月の間、月2回、漁師さんにお願いして、特別な生物捕獲を行っている。
沼津港から1時間半、メンダコがいるポイントへ到着。日の出を合図に漁師さんが網を投げ込んだ!
100年以上の歴史を持つ駿河湾の深海底引き網漁、豊富な海の幸は沼津の市場に出荷されてきた。網を張るポイントは、水深290m。そこに着いたらゆっくりと20分かけて船を進め、生物を捉えてから引き上げる。
その頃船上では、水族館の飼育員さんたちがタンクの中に、海水を入れ氷を入れて冷やしていた。これは深海生物のダメージを少しでも減らすための対策。こうして市場に出回らない生物を展示用に分けてもらっていたのだ。
いよいよ引き上げ!一体どんな深海生物が入っているのか?まず目に入ったのは大きなタカアシガニ!加藤先生も大興奮だ。
このぐらいのサイズのタカアシガニは食用として流通する。沼津市戸田地区では、食堂や旅館などで古くから食されてきたタカアシガニ、肉厚でジューシーな身を蒸し、焼き、しゃぶしゃぶで。濃厚な蟹味噌にはファンも多いのだそう。
さらに!レア度MAX、念願のメンダコもGET!ストレスを抑えるため即座にいけすへ移した。
さらにヘンテコな深海生物。こちらはフウリュウウオ。生きた状態で入ってくるというのは珍しい種類で、展示も少ないそう。アンコウの仲間で、手にも見えるヒレで海底を歩くように移動するのだ!
おつぎは…ミドリフサアンコウ。びっくりした時、捕まえたとき時は、海水を体の中に吸い込んで膨らませる。これは体を大きくして敵に食べられないようにする防御策なんだとか。
でっかい深海魚も出たー!背びれに角のような毒のトゲを持つフトツノザメ。危険が迫ると丸くなって身を守る!
さらに獲れた中には、鍋の材料としても愛されるアンコウもいた。高級なイメージだが、冬は高いものの夏は安値なのだそう。
底引き漁で獲れた生物は仕分けされ、翌日市場へ出荷される。今日はかなり少なかったそうだが、漁獲高自体年々減っているのだとか。海の生物が減っているからこそ、新種の発見や研究は欠かせない。水族館もその一翼を担っているのだ。
研究の一翼を担うと言えば、水族館内に展示されていたサメの剥製。これらは全て水槽で展示されてたもの。オンデンザメ、ラブカ、オロシザメ…どのサメもとても貴重で、サメ好きの田中さんは大興奮。
そんなラブカが水槽を泳ぐ貴重な映像も見せてくれた!原始的なサメの特徴を持ち、3億6,000年前から姿を変えていないラブカ。まさに生きた化石だ。私たちは海の90%を知らない。深海には想像を超える現実が沢山あった。
そんな海の生物についての取り組みとして、2023年に「オーシャンセンサス」という世界中の海で未知の海洋生物を発見するプロジェクトが発足。10年の計画で10万種、未知の生物を徹底的に見つけていこう!というプロジェクトで、ダイバー、AUV水中ドローン、有人潜水艇など駆使している。
現在サンプルとして集まってきた中で、新種であろうものが約800種!。そのそのうちのいくつかを見せてもらった!こちらは「フサアンコウの一種」。南米チリ1200mの深海で発見され、泳がずにヒレで歩いていたのだそう。
この子は「フライングスパゲッティモンスターの一種」クラゲの仲間で、発見海域は先ほどと同じく南米チリ。665mの深海で発見したそう。成長すると40mにもなる。
お次は「シーピッグ(センジュナマコ)の一種」東ニュージーランド沖で発見されたナマコの一種で海の豚と呼ばれているのだとか。目指すは10万種!未知なる生物との出会いを求め、更なる調査が続く。
さぁ続いては日本の深海で発見されたとんでもないものをご紹介!後編へ続きます。
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