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2024.02.27

緊急SOS 海のごみぜんぶ拾う大作戦 第3弾<WEB版後編 海洋プラ研究をする高校生>

緊急SOS 海のごみぜんぶ拾う大作戦 第3弾

2023年10月9日放送

WEB版後編 海洋プラ研究をする高校生

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緊急SOS海のごみぜんぶ拾う大作戦第3弾。後半は、海に流れてるプラスチック素材の研究で、受賞多数。環境問題に取り組むスーパー女子高生を取材!(こちらは後編です。前編を読んでない方はこちら

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ココリコ田中さんがやってきたのは愛媛県の愛南町。彼女たちは、愛媛大学附属高校理科部のプラガールズ。理科部の研究班の一つで、海洋プラスチック問題を研究テーマにして活動しているのだそう。

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最初に見せてくれたのは、プラスチック製のストロー、スプーン、ボールペン?実は生分解性プラスチック。生分解性プラスチックとは、土の中や海底で微生物が分解し、徐々になくなっていく素材。その原料となるのは、主に石油や植物といったものだが、

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プラガールズが目を付けたのが、「海の微生物から海で分解されるプラスチックを作る研究」。部活動を覗いてみると、海で分解される海洋生分解性プラスチックを作っていた!

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まず注目したのが天日塩。自然乾燥させて作られた天日塩には生きた海洋細菌が入っているので、塩から細菌を取り出し、塩に住む菌を最適な温度で増殖。その後に薬品を加え、遠心力で菌を分離させると…。「これが海で分解されるプラスチック原料「PHB(ポリヒドロキシ酪酸)」だ。

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この研究は、高校生によるエコ活動コンテストで1位に当たる内閣総理大臣賞を受賞した。

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現在、生分解性プラスチックが多く利用されているのは、農業や林業の分野。しかし、コスト面などの問題から、流通はわずか0.02%。まだ普及の第1段階だ。

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今回、プラガールズと田中は、愛媛県を中心に、船でしか行けない場所でごみ拾い活動をしているE.Cオーシャンズの代表・岩田さんの元へ。

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実は、愛媛県南部・愛南町の御荘湾は地形が複雑。陸路で行けない海岸が30ヶ所ほどあり、深刻な問題を抱えていたのだ。

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5分ほど船に揺られると、目的の島が見えてきた。実この浜、初めて足を踏み入れたのは去年。凄まじいごみの山で、プラガールズも参加したごみ拾いでは、なんと2.5tものゴミを回収したそう。今年はどうなっているのか。

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上陸してみると…やはりすごいごみ。プラスチック製のもの、発泡スチロール、台風などの影響なのか、巨大な漁具が散乱している。1年前、綺麗にしたにも関わらず、まさかの姿にプラガールズも愕然。さらに奥には、なんと船一艘が丸ごとごみになっていた!問題は思った以上に深刻だ。

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まずは大きいごみから…ごみ拾い作戦スタート!この大きな発泡スチロールの正体は恐らく船のブイなのだそう。漁具だけでこれだけの量に。

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続いては、ペットボトルなどの生活ごみを集める。「ペットボトルとか400年ぐらい分解されないのでこのままだと大変です…」「ポイ捨てさえやめてくれたら結構減ると思うんです。」と、プラガールズたち。

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ごみを捨てるのは簡単だが拾うのは大変な作業だ。生活ごみだけで70キロもあった。

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ごみ拾いはまだ終わりじゃない。次はマイクロプラスチック。マイクロプラスチックとは、大きな物質が5ミリ以下に細かく分解されたもの。軽いため、海から浜に打ち上げられるというのだが、一体どれだけあるのか。

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この一帯の白いものは全部発泡スチロール。いくら小さくなってもプラスチックのまま。マイクロプラスチックだ。

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作った土を水に入れると、水より軽いマイクロプラスチックが浮いてくる。

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わずかひとすくいですごい量!その種類は様々で、人工芝やカキ養殖パイプなど、これを魚が餌と間違えて食べてしまう。

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「ほとんど海の生き物はプラスチックごみの影響を絶対受けてます。小さな魚はプラスチックで胃の中がいっぱいになったら本当の餌が入らなくなります。」と、理科部の先生。東京農工大学の研究では、東京湾で採取したカタクチイワシの8割の消化管からマイクロプラスチックが発見されたという。

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水より軽いプラスチックは、海岸に打ち上げられるのだが、海底ではどうなっているのか。数日前、愛媛大学協力のもと調査へ向かった。向かったのは広島湾。ここも閉鎖性水域で複数の川と水産業のごみが溜まりやすい。

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出港から1時間半、信じられない光景が。川と海がぶつかる潮目に大量の発泡スチロールが漂っていたのだ。こういうところにはごみも集まるが、プランクトンも集まり、生態系としても重要な場所。そこがプラスチックで汚染されていたのだ。

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さあ、目的地へ到着。クレーンを使い調査用に海底の泥をすくい取る。海底の土にもプラスチックが混ざっているのだろうか?しかし見た目ではわかりにくい。

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そこで愛媛大学工学部で取り出したプラスチックを見せてもらうことに。発泡スチロールが目視できた。わずか20センチ四方で30粒。やはり多いそう。

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さらにFT-IRという解析で、プラスチックの種類を判別したところ、出てきたのは2種類、ビニール袋などのポリエチレンと、発泡スチロールなどのポリスチレン。

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「両方とも海に浮くはずなんですけど、劣化とか付着物によって沈んでしまっていたので、かなり問題だと思います。」と、プラガールズ。わずか20センチ四方でこれだけの量が出てきたとなると、海底には無限に広がっていることになる。

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そして先ほどの浜辺は、何とか自然の状態に戻った。しかし、永遠に流れ着くごみを取らない限り、同じことの繰り返しとなってしまう。

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さらに、陸路がないため、ごみを船で運ぶしかないことも大きな問題だ。今回のごみだけで、総重量350キロ。そして、付着物で汚れたプラスチックは焼却か埋め立てるしかない。

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「リサイクルリユースできないんですよね。」と田中さんが聞くと…。実は今プラガールズたちは新しい研究を進めているのだそう。それはミルワーム。すり餌などに使われるミルワームは、プラスチックを食べて生き続けられる習性を持つことがわかっているそう。全然その部分から細菌を取り出し、廃棄されたプラスチックを分解させるという研究だ。

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「陸路で行けない場所っていうのがまた大変ですね」と淳さん。「実は2001年以来、野焼きが禁止され、漁師さんが年に1回行っていたごみ拾い野焼きが出来なくなったんです。船でごみを回収して処分して…となると費用がかかる。高齢化問題も重なって、そのまま…という場所が結構あると言われてます。」と、海野常務。

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そんなごみ問題を解決する秘密兵器が登場!ごみの量を現地で減らす2台のマシーンだ。まずはブイなどの硬いプラスチックを砕く破砕機。空洞である体積を減らし、たくさん運べるようになる。そして、巨大な発泡スチロール用の減容機。10分の1ほどに圧縮し、運搬だけでなく、処理の負担が激減する。

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さらに日本財団では、リサイクルに対して新しい取り組みも始めた。「このランドセルやピロー、何でできているか分かりますか?実は廃棄前の漁網。それを布にしてデザインしてもらって作ったんです。」と、海野常務。こういった漁網のリサイクルを、55社と一緒に様々な商品開発を進めているそう。海洋ごみ問題が少しでも解決する糸口になっていって欲しい。  

→ 緊急SOS 海のごみぜんぶ拾う大作戦 第3弾<WEB版前編 スポごみワールドカップ>

 

<過去の放送>

→ 緊急SOS 海のごみぜんぶ拾う大作戦 第2弾<WEB版前編 瀬戸内海篇>

→ 緊急SOS 海のごみぜんぶ拾う大作戦 第2弾<WEB版後編 長崎県対馬篇>

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