レポート

行ってみた・やってみた!2023真冬の石垣島でサンゴを調査!

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行ってみた・やってみた!

行ってみた・やってみた!2023真冬の石垣島でサンゴを調査!

2022年10月。国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」で白化現象が全体の92.8%になったというニュースを見ました。石西礁湖は、沖縄県石垣島の沖あるサンゴ礁です。サンゴ礁問題は多くの水族館や博物館でも取り扱っていたため関心を持っていましたが、このニュースを聞いて、20年以上前に潜って感動した石垣島の海が、今どうなってしまっているのか、とても気になりました。

息子も、2022年の春にサンシャイン水族館のサンゴ再生プロジェクトツアーに参加し、サンゴフレンド認定をもらっています。サンゴや海の環境問題に興味を持ちはじめているので、一緒に石垣島へ行って調査してみることにしました。

2022年12月某日

東京でも寒い日が続いていた12月中旬。息子を連れて石垣島へやってきました。宿泊するホテルはオールインクルーシブで子連れ旅行が楽チンなクラブメッドカビラさん。食事&ドリンク・アクティビティが全て含まれ、プライベートビーチ付きです。

ちなみに、息子の装備はこちら。春・秋用のウェットスーツ、フルフェイスタイプのシュノーケル、フィン、マリンシューズ、ライフジャケット、たこメガネ、網、観察ケース。海遊び、磯遊びを想定して一通り持っていきました。 未就学児さんや低学年さんでシュノーケリングに不安がある方は、このフルタイプのマスク、オススメです!鼻息もOKで視界も広いのでずっと潜っていられますよ。ウェットスーツは7,000円と格安品ですが冬の石垣でも十分でした!ライジャケは言わずもなが必須アイテム。我が家はモンベルを愛用しております。

 

1日目

意気揚々と到着した石垣島でしたが…東京と変わらないほど寒い。雨は降っていないものの、風が強く、遊泳禁止の旗がヒラヒラ。しかし何がなんでも海は見たいので、暴風の中、プライベートビーチの散策へ。大はしゃぎの息子ですが寒すぎて母は限界。しかしながらこんな天気の日でも海が青く綺麗で驚きます。

この日は、川平のグラスボードなども全て中止だったので、ホテルの中でおやつを食べたり、ゲームをしたりして過ごしました。このホテル、スタッフの殆どが外国人。英語でノリノリなので、まるで海外リゾートにいる雰囲気で過ごせます。工作やダンス、卓球にスカッシュ、お酒もジュースも飲み放題!お菓子も食べ放題!外は寒いですが、海を眺めながら子供とゆっくり過ごす時間は心が満たされます。

 

2日目

今日も寒い。寒すぎて売店で長袖のパーカーを購入しました。それでも、海に入りたくて仕方のない息子。時折晴れ間も出てきて、海がさらにキラキラして見えます。本当に美しい!!!

少しすると、遊泳禁止から遊泳注意に変わったので、ウェットスーツ着ていざ海へ!とはいえ波がまだ高かったので、膝の深さまでという約束で潜りサンゴ拾いをしました。

これでも十分楽しい!ちっちゃなお魚もたまにいて大喜び。海の中の方が暖かいので、ひたすら海に浮いていました。

海のキッズサポーター

私は寒すぎたので海には入らずビーチクリーンを。マイクロプラが目立ちます。清掃はは毎日やっているらしいので比較的綺麗ですが、それでも1時間程度でこの量。

明日は少し風も収まり晴れ間も出そう!という情報を得たもの、ホテル付近の川平で潜るのは難しいと言うことで、アクティビティツアーの会社を調べてオールブルーさんにツアーを組んでもらうことにしました。

海のキッズサポーター

今の時期、隣のビーチではマンタに出会えるスポットも有ると聞いていたのですが…、それも叶わなそう。一緒に泳ぐ夢はまた今度にとっておきます。写真は、他の方が撮った石垣のマンタちゃん。本当に直近で見れるのだとか!

 

3日目

海のキッズサポーター

最終日。朝を起きて部屋を出ると暖かい!風が収まり海の香りも心地よくテンションが上がります。川平の海はうねりが有ってやはり潜れないと言われましたが、グラスボートは運行すると聞き、午前中は川平湾のグラスボードに行きました。これなら潜らなくとも船の中から珊瑚や熱帯魚を覗き見ることが出来ます。

海のキッズサポーター

早速船に乗ると足元には、透き通った美しい海の中!かわいい熱帯魚も泳いでいます。しかし、ここのサンゴにも白化現象が起きているそう。青くて綺麗なカラフルサンゴも居たのですが、全体的に鮮やかさが少ない感じ。ガイドさんも「本当はもっと鮮やかだったんだけどね。このままだと本当に心配。地球温暖化の影響らしいねぇ」と、サンゴの白化現象について説明してくれました。

海のキッズサポーター

一見美しい川平湾ですが、海の中では問題が深刻化していることが分かりました。そして午後はいよいよシュノーケリング!オールブルーさんがホテルまでお迎えにきてくれ車で移動します。

海のキッズサポーター

まずは、山から見る海も素敵だよ、ということで15分ほどのトレッキングで頂上へ登れるヤラブ岳へ。高所恐怖症の私はガクブルでしたが、山から望む海の絶景は素晴らしかったです。

海のキッズサポーター

その後、浅瀬でもサンゴが自生しているという穏やかな大崎ビーチに連れて行ってもらいました。ビーチからエントリー出来るので息子も安心。まだ海のコンディションがあまり良くないとのことで、沖へは出られませんでしたが、それでも透き通る真っ青な海の中、サンゴや熱帯魚に出会えました。

海のキッズサポーター

しかし、少し心配になるエリアも。この散らばっているサンゴは死んでしまったサンゴなのだそう。ここもかつてはサンゴ礁が広がっていたのでしょうか…。

海のキッズサポーター

このあたりも白化しているように見えます。過去にも何度か起きていると言うサンゴの白化現象。2016年にも一度、海水温が平年よりも1〜2度高くなり、沖縄や石垣島など広い範囲で確認されたのですが、近年ようやく少しづつ元の海に戻りつつあったそう。しかし昨年(2022年)、7月頃からまた少しづつ白化現象が確認されはじめ、8月にはあっという間に…という感じだったと、ツアーのお姉さんも心配していました。

今回は海水温の上昇と合わせて、台風が少なく、海水がかき混ぜられなかったことで、海水温の上昇がおさまらなかったのだと言われています。そしてその台風が減った要因も温暖化。温暖化は、あらゆる角度から海水温の上昇に拍車をかけてしまうのだ…と、恐ろしくなります。

ちなみに、サンゴの白化現象とは、海水温の上昇によってサンゴから「褐虫藻(サンゴの体内に共生している植物プランクトン)」がいなくなる現象です。 環境が回復すれば、サンゴは褐虫藻を再び獲得して健全な状態に戻りますが、白化した状態が長く続くと、サンゴは褐虫藻からの光合成生産物を受け取ることができなくなり、死んでしまいます。

サンゴは海の背景ではありません。海の生き物の4分の1はサンゴを棲み家にしていて、サンゴが絶滅すると海洋生物の過半数がなくなると言われています。また、二酸化炭素を吸収し、酸素を供給する働きもしているため、地球温暖化からも守ってくれています。つまり、サンゴが死滅すると、海の生態系のバランスが大きく崩れ、地球環境が崩れ、わたしたちの食卓や生活に大きく関わってくるのです。

今回息子も私も、サンゴの白化を目の当たりにし、とてもショックを受けました。 沖の珊瑚礁までは見に行くことができませんでしたが、それでも白化の現状や、日々海に携わっている方々の心配の声を聞くことができ、とても良い学びになりました。地球温暖化は、国や企業の努力だけでは止まりません。私たち一人ひとりが真剣に向き合う必要があります。我が家では、分別やマイボトルはもちろんのこと、この石垣島以降、息子を中心に、節電や節水にも力を入れはじめました。

日本には本当に素晴らしい海があります。海離れが懸念されていますが、是非ご家族でシュノーケリングにチャレンジして海の中の世界を見て欲しいと思います。シーズンをずらすと沖縄も空いていて安価です!冬でもウェットスーツを着れば問題なく海に入れますし、ライフジャケットを着用すれば泳げなくてもシュノーケリングを楽しめます。

多くの人の海への関心を持ち、少しでも意識を向けてほしいと願います。 サンゴが回復するように。皆んなの努力を集結させましょう!

海と日本プロジェクトでも美しい海を守るべくさまざまな活動を行なっていきます。皆様も是非共有していってください。活動情報はSNSでお知らせしています!

※最後の2枚は美しい頃の石垣島の珊瑚礁です

海プロ東京Twitter: https://twitter.com/umiprotokyo

 

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