日本各地の「海に興味・関心がある子どもたち」と一緒に海のミライを考えるプロジェクト“海のキッズサポーター”。今回は葛飾区在住の小学4年生をご紹介します。彼女の海に対する想いや海に携わる活動をご覧ください。
2022年に沖縄でサンゴの苗づくりと、植え付けシュノーケリングを体験しました。サンゴが海の生き物のお家だと知っていたのですが、海のキッズサポーターをしているお姉ちゃんから「海水温や、オニヒトデの影響でサンゴが減り、育ちにくくなってしまっている。」と、教えてもらい、私も私に出来ることをやりたいと思って、いとこにも教えてあげながら一緒に参加しました。
自分の手でサンゴの植え付けしてみて「このサンゴが元気に大きく育って、魚達のお家になって欲しい!そしてサンゴが死なないで欲しい!」と、強く思いました。サンゴが死んでしまうと魚が住めなくなってしまいます。魚が生きていけないと環境にも良くないので、これからもサンゴのある海を守っていきたいです。
お姉ちゃんと一緒に静岡県大瀬崎の海プラスSOUという団体のイベントに参加しました。イベントではアマモの種をもらい、ペットボトルの中に植え、海水を入れました。
それを自宅に持ち帰り今も大切に育てています。アマモは海の中に生える草のことで、サンゴと同じように海の生き物のお家になっています。アマモが成長していく様子がお家で観察できるのでワクワクします。
11月19日に種植えしたアマモですが、12月14日には胚軸という白い芽が出てぐんぐん伸びてきています。もっと成長したら葉っぱが出てくるので楽しみです。
いつもやっていることは犬の散歩時のごみ拾いです。お友達と遊んだ時にお友達を誘って一緒にごみ拾いをすることもあります。また、私はサーフィンをしているので海へ行ったときはビーチクリーンをしています。
2023年はスポGOMI東京大会にも参加しました!優勝はできなかったけれど、お姉ちゃんとお母さんと協力してお台場のごみ拾いをして楽しかったです。海ごみには、街から流れ出たごみが沢山あります。街のごみが風で飛んだり雨で川に流れ、最後は海に流れて行ってしまうからです。大好きな海の生き物を守るために、海をきれいにしたいので、ごみ拾いはこれからも続けていきます。
2021年の冬から、お茶の水女子大学で推進している「海と日本PROJECT 全国一斉ウニの発生体験」に参加しています。2021年の秋にお姉ちゃんがやっていて、面白そうだったので、私も冬の研究の時からはじめてみました。ウニの赤ちゃんは、顕微鏡で見ないと見えません。卵が「幼生」になって、その後「稚ウニ」になり、だんだん目でも見えるようになってきます。自分で育てたウニは本当にかわいいです。
研究発表では、佳作をもらうことができました。とても嬉しかったです。ウニは残念ながら、2023年の夏前に暑さのせいか死んでしまいましたが、再度挑戦してみたいと思っています。
また、ウニの発生研究は自分で行うだけでなく、2022年にはお姉ちゃんと一緒にオンラインで特別講師を、2023年の夏にはリアルイベントでジュニアティーチャーをさせてもらいました。ジュニアティーチャーでは、受精実験と幼生飼育について、お姉ちゃんと一緒に発表しました。顕微鏡の使い方や受精実験のやり方を教えたりもしました。教えるのは難しかったですが、教えたお友達が観察できるようになって喜んでくれると嬉しかったです。
2023年の夏にアースウォッチジャパンの「環境DNA」ボランティアをしました。これは、海水を採取して研究者の人に送るボランティアです。私はいつもサーフィンをする九十九里の海を担当しました。
この海水のDNAを調べると、そこに住んでいる海の生き物が分かるそうで、全国のボランティアの人たちが採取した海水のデータが研究の役に立ちます。この研究は「生物を通してこれからの海を守るために大事なこと」と、聞いていたので、私も参加できて良かったです。
海水を採取するには、研究者の人が送ってくれたキットを使います。他のDNAが入らないように手袋をして、バケツに何回も海水を汲み、注射器で何度も濾過しました。夏で暑くて大変でしたが、海のためにがんばりました。
私がやっているのはサーフィンとダイビングです。サーフィンは4歳の時にはじめてやりました。最初は先生と海とお友達になるところからはじめました。サーフボードをビート板みたいにして波乗りし、とても小さな波でしたが、はじめてサーフィンできた時はとっても嬉しかったです。
今はショートボードでの基礎練習をしています。自分の力だけで波乗り出来るようにがんばり中です。(右写真はムラサキスポーツ主催のイベントSUPER KIDS 1st CHALLENGE SHONANにて、大好きなプロサーファー【KumeBro’s】の兄・粂悠平さん(右)、弟・粂浩平さん(左)と)
もう一つは2023年に初めて挑戦したダイビングです。沖縄で家族4人で体験ダイビングをしました。背負ったタンクが重かったし、ちょっと緊張しましたが、海の中に入ったら全然平気でした。サンゴと海の生き物がとてもかわいくてきれいでした。 早くライセンスをとって、家族みんなで海外の海も潜ってみたいです。
今やっていることは、種をもらってペットボトルに植え付けしたアマモの育成です。私は海の生き物が大好きなので、生き物のおうちとなるアマモにとても興味を持っています。
2023年にお姉ちゃんが体験ダイビングでアマモの植え付けをしていたので、2024年は私もやってみたいです。そして海の中のアマモとそこで生活する生き物たちを、自分の目で見てみたいです。そのためにはアマモを元気に育てなければならないので、観察をしながら大切に育てています。
今後は私のやっている活動を皆んなにも広め、海の大切さをもっと知ってもらいたいです。将来の夢は、海の近くに海の生き物がたくさんいる「水族館カフェ」を開くことです。お姉ちゃんにサーフショップをやってもらって「水族館カフェ」と繋げて、人と海の生き物がたくさん集まる場所を作りたいです。
海と日本プロジェクトのさまざまなイベントに参加しながら、海への理解を深めていく「海のキッズサポーター」。今回取材をしたまりあさんも、海のミライをしっかり考えてくれていました。お姉ちゃんの活動を追いかけながら、サーフィンをきっかけに自分の好きな海を自分で感じ、チャレンジをしていくまりあさん。大好きなマリンスポーツや海の生き物を通して、海の大切さを多くの人に広めていこうとする気持ちが素敵でした。これからが益々楽しみです。海と日本プロジェクトでも海や魚を守るべくさまざまな活動を行なっていきます。海のキッズサポーターの皆さんとも力を合わせて色々な取り組みをしていきたいと思いますので、皆様も是非共有していってください。活動情報はSNSでお知らせしています!
海プロ東京Twitter: https://twitter.com/umiprotokyo
お茶の水女子大学による、海洋教育促進プログラムです。全国各地にウニの受精実験教材を一斉発送し、利用者同士をオンラインで繋いで一体感を持ちながら海を学んでもらおうというイベント。夏、秋、冬、とそれぞれの時期に繁殖期を迎えるウニを用いて、年3回の開催予定です。
「全国一斉ウニの発生体験」参加してくれているまりあさん。最初はお姉さんに教わりながらの挑戦でしたが、オンライン会で研修を担当するまでにぐんぐんと成長しました。2023年8月に開催した「第3回お茶大海のジュニアティーチャー養成講座」では「ウニのジュニアティーチャー」として、対面での実験手順の説明と、参加者間を巡回して実験を補助したり質問に答えたりする仕事とを立派にこなしてくれました。私は、海について学んだことを次に伝えることが大事だと考えていますので、それを体現してくれているまりあさんの今後の活躍に期待しています。(お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究所 和田先生からのメッセージより)
水辺の環境保全活動を行い、海草藻類の育成等や環境学習レクリエーションの機会の提供する団体です。アマモの種まきを行い、ペットボトルで育て、豊かな里海に返す手助けとしてアマモ場の再生活動を行っています。
大好きなプロサーファー粂悠平さんと粂浩平さんのYouTubeチャンネルです。
東京都葛飾区
小学4年生
4歳からサーフィンをはじめ、ダイビングにもチャレンジするマリンスポーツ大好きな女の子。海の生き物が好きというきっかけから、棲家となるサンゴやアマモの育成や植え付けにも挑戦。自分の活動を通して多くの人に海の大切さを伝えていきたいそうです。夢は「水族館カフェ」を開くこと。