日本各地の「海に興味・関心がある子どもたち」と一緒に海のミライを考えるプロジェクト“海のキッズサポーター”。今回は東京都豊島区在住の小学6年生をご紹介します。彼女の海に対する想いや海に携わる活動をご覧ください。
私は幼い頃から海が大好きなのですが、両親も海が大好きでダイビングが趣味。私が初めて海に入ったのは0歳の時だったそうです。また、私がお腹にいる時から3歳になったらモルディブで一緒にシュノーケリングをすることを決めていたそうで、 1歳から水泳を習い、3歳の時、モルディブの美しい海でシュノーケリングをしました。
海に囲まれた部屋からの景色も本当に本当に綺麗で、記憶にもしっかり残っています。
そのほか、ハワイの海辺で遊んだり、ウミガメと出会うツアー、イルカを見るツアー、地引き網を体験、海外旅行も国内旅行も私たちの家族旅行はいつも海がある場所です。
家の近くにはサンシャイン水族館があるので、年間パスポートを買って小さい頃から沢山水族館に行きました。他にも多くの水族館に足を運んでいて、小学校3、4年の夏休みは、鴨川シーワールドの大水槽の前で寝るキャンプにも参加しました。シャチの水が、びっくりするくらいかかるダイナミックなショーが印象的で、その後家族でも行きました。また、休日は父に釣りに連れて行ってもらって鯵を釣ったり、母が料理上手なので小さい頃から母と一緒に魚を捌いたり。日常の中でも海が身近な生活をしています。
2022年の夏、海と日本プロジェクトin東京主催の「海洋インフォグラフィックコンテスト」に参加。海の酸性化をテーマにした作品で特別賞をいただきました。
このテーマを選んだ理由は、海に詳しい母の後輩さんからの学びです。コンテストのテーマについて相談したところ「海の酸性化」という問題を分かりやすく丁寧に教えてくださり興味をもちました。調べてみると、知られていない割に、とても深刻な状況だということが分かり、この問題を多くの人に伝え、危機感を持ってもらいたいと思い、テーマを「海の酸性化」に決めました。自分のレポートがノミネートし、御茶の水美術専門学校の瑠菜お姉さんにとても素敵なインフォグラフィックポスターに仕上げてもらえて感動しました。多くの人に分かりやすく「海の酸性化」を伝えることが出来、とても嬉しかったです。
コンテストのためにまとめた「海の酸性化」問題。学校のお友達にも知ってもらいたいと感じ、夏休みの自由研究としてまとめ直しました。先生やお友達から褒めてもらえたことも嬉しかったですが、「酸性化って知らなかった!」「もっと海を大切にしなきゃと思った。」などの感想をもらうことができ、問題意識を身近な人にも知ってもらえたことが、とても嬉しかったです。
また、特別賞でいただいた、“廃棄漁網をアップサイクルして作ったペンケース”を理科の先生に見せたところ、こんな素敵なものが作れるんだ!と、大変興味深そうに見て下さいました。
更に、海洋インフォグラフィックコンテストの深掘りをしてみようと思い、学校の理科の自由研究には「海の酸性化の生き物への影響」をテーマに実験を行いました。まず水槽をA・B2つ準備して人工海水を作り、Aにだけドライアイスを入れてPHを下げ、酸性化と同じような環境を作ってみました。そしてA・Bそれぞれにアサリを投入し様子を見ます。すると、Bのアサリは全て生きているのに対し、Aのアサリは半日程度で死んでしまいました。さらに、Bで1番元気だったあさりをAに移すと弱ってしまい、Bに戻すと再び元気に戻りました。
コンテストのレポートにも「成長過程の貝が酸性化の影響を受けると、貝殻がしっかり育たなくて天敵に食べれられて死んでしまう」と、書いていたのですが、大人の貝でもこのような結果になると分かり、海の酸性化問題が更に心配になりました。小さな生き物だからこそ、こういった酸性化の影響を強く受けてしまうのかもしれない、と感じました。
学校の授業でSDGsを学んでいて新聞を作っているのですが、私は海を中心に調べています。自分達に何が出来るか調査し、海洋汚染の主な問題としても取り上げられているペットボトルの事例を紹介しました。 ボトルtoボトルという取り組みは、ペットボトルをトレーや繊維にリサイクルしたり、熱エネルギーとしてリサイクルするのではなく、何度もペットボトルのまま循環させるという、水平リサイクルです。例えばサントリーではボトルtoボトルが行えるようにペットボトルの自主基準を設定しており、2030年には100%リサイクルを目標に掲げているそうです。(→サントリー参照ページ)
しかし、重要なのは使用済みでの品質です。キャップやラベルを外して捨てるなどの分類、飲み残しをなくして濯いで捨てるなど、私たちに出来る少しの行動が大切だということが分かりました。現在ペットボトルは、プラごみと別に回収している地域が多いですが、それでもまだボトルtoボトルには至っていません。今はまだあまり知られていない取り組みですが、私はこのボトルtoボトルの取り組みが、これからの海に必要だと感じました。まずは自分の行動を改めて見直し、学校等でも呼びかけペットボトルへの意識を広げていきたいと思っています。
学校の授業で魚の解剖をして魚の生態についても調べました。スーパーで買ってきた鯵をハサミで解剖したのですが、料理で魚を捌くのとは異なり、ここが尾ビレ、ここが消化器、心臓、エラ…、など初めてじっくり観察したので興味深かったです。生物のこと、生態のことにも興味を持ちました。この子たちを守るためにも、私たちが魚を美味しくいただくためにも、酸性化の問題はとても重要だと改めて感じることが出来ました。
私は将来、マーケターになりたいと考えています。マーケターとは、人の役に立つ商品やサービスの売れる仕組みを考える仕事をする人です。今の海の課題を少しでも解決できるようなサービスや、人々が海をもっと身近に感じて、美しい海を自分たちの手で守って行こうと思えるような、新しいサービスを作るマーケターになりたいです。そして、小さな頃から大好きな海、青くて美しかった想い出の海を壊さないために、海の大切さを多くの人に広めて行きたいです。
将来マーケターになりたいという夢をかなえるためには、しっかり勉強をしなくてはなりません。学校の勉強はもちろん、色々なことに興味を持って挑戦して行きたいと思っています。海に関する活動も、まずは関連するニュースに目を向けて、調べてみたり、実験をしてみたり、イベントなどにも参加して、幅を広げて行きたいです。そこで、これはと思ったものを見つけて、深掘りし、将来の夢につなげて行きたい思っています。
海と日本プロジェクトのさまざまなイベントに参加しながら、海への理解を深めていく「海のキッズサポーター」。今回取材をしたみおさんも、海のミライをしっかり考えてくれていました。 海が大好きなみおさんにとって、海の酸性化は衝撃的な問題だったそう。海洋インフォグラフィックコンテストの参加をきっかけに、実験で学びを深めたり、ごみ問題に視野を広げたり、そしてそのことをお友達に伝えていったり…。これからの活動も楽しみです。海と日本プロジェクトでも美しい海を守るべくさまざまな活動を行なっていきます。海のキッズサポーターの皆さんとも力を合わせて色々な取り組みをしていきたいと思いますので、皆様も是非共有していってください。活動情報はSNSでお知らせしています!
海プロ東京Twitter: https://twitter.com/umiprotokyo
東京都豊島区
小学6年生
幼い頃から海が大好きで、海が身近という小学6年生の女の子。海洋インフォグラフィックコンテストへの参加をきっかけに「海の酸性化」を知り、環境問題やごみ問題への深掘りを始めています。将来の夢は、海の課題を解決したり、人々が美しい海を自分たちの手で守って行こう!と思えるようなサービスを作っていくマーケター!