日本各地の「海に興味・関心がある子どもたち」と一緒に海のミライを考えるプロジェクト“海のキッズサポーター”。今回は東京都葛飾区在住の小学5年生をご紹介します。彼女の海に対する想いや海に携わる活動をご覧ください。
お父さんがサーフィンをしていることもあり、7歳の時からサーフィンをはじめました。プールでサーフィンを体験できる機会があり、最初は遊び感覚で挑戦してみたのですが、立てたことが楽しくて、海でもやってみたくなり、九十九里のサーフィンスクールへ行きました。初めてテイクオフ出来た時はとても気持ち良く、サーフィンがもっと大好きになりました。今でも定期的にレッスンへ通っています。海には危険もあるので、海のことを学んで知り、安全に気をつけて練習することが必要だと感じています。
海と繋がっていると感じられて、海に愛されていると感じることができるところです。また、今は楽しいだけでなく、うまく出来なくて悔しい日もありますが、出来ないことにチャレンジして乗り越えた時はとても気持ちが良いです。
サーフィンで海に行くと、ビーチにたくさんごみが落ちていて危ないです。特にプラスチックごみは魚など海の生き物にも悪い影響があるので、サーフィンの時にはビーチクリーニングをしています。また、犬の散歩の時にごみ袋とトングを持って近所のごみ拾いもしています。街に落ちているごみが風や雨で川に流れ、海に流れつきます。少しでもごみが減らせるように普段からごみを拾ったり、エコバックや水筒を使ったりしてプラスチックごみが減らせるように気をつけています。
海と日本プロジェクトin東京が主催した「海洋インフォグラフィックコンテスト」に応募しました。大好きなサーファー、ステファニー・ギルモアさんがオーストラリア出身だったので、グレートバリアリーフについて調べたところ、1995年から2020年のたった25年間で半数もの珊瑚が消滅したということを知り衝撃を受けました。そしてこの珊瑚を守るための自由研究を題材にしようと決め、この問題の原因を調べていきました。原因は温暖化、農業廃水、オニヒトデ、珊瑚のストレスであることを学んだので、どうしたら減らせるかを考え、一人一人ができることをまとめました。次は「どうしたら珊瑚を増やせるか」についても研究してみたいと思っています。
サーフィンをしているので、海のことや海の安全についてもっと学びたいと思い、お母さんが海と日本プロジェクトのイベント検索で見つけてくれた「Atlantic Pacific Japanオンラインサマーキャンプ」に参加しました。中・高校生向けの研修でディスカッションも多く大変でしたが、混ぜてもらい頑張って参加しました。この研修は、「日本初英国式救命救助とは?海での安全とプラスチックを考える2日間」。1日目に海に入る前の安全確認やロープを使った救助方法などを学び、2日目には海洋プラスチックの海への影響と、海のごみを減らすにはどうしたらいいか。また、自分たちに出来ることは何かをみんなで考えました。コロナ前、この研修は1週間のキャンプで、全国から参加者を招いて実施していたそうです。来年度は岩手県釜石市根浜海岸での実施を予定しているとのことなので、コロナが終息していたらキャンプにも参加してみたいです。
海の生き物がどのように成長しているかについて興味があり、ウニの発生研究に参加しました。これは、お茶の水女子大学で推進している、「海と日本PROJECT 全国一斉ウニの発生体験」。お茶の水女子大学湾岸生物教育研究センターから全国各地にウニの受精実験教材が一斉発送され、オンラインで一体感を持ちながら海を学べるというイベントです。
以前、お母さんから聞いていた食物連鎖をこの研究で学ぶことができました。ウニを育てるために、餌となる植物プランクトンの珪藻を自分で育てて、動物プランクトンのプルテウス幼生に初めて餌やり出来た時はとても嬉しかったです。今は8腕期にまで順調に育っています。最初は顕微鏡で見ないと見えませんでしたが、最近は肉眼でも見えるようになってきてかわいいです。ウニの形になる「稚ウニ」になるまではあと2週間程度かかると思いますが、引き続き大切に飼育を頑張ります。先日、サーフィンに行った際、九十九里の海水を持って帰ってきました。この海水でも元気に育つか実験中です。(2021年11月)
追記:その後、稚ウニへの変態誘導にも成功しました!(2021年12月)
追記:その後、全国一斉ウニの発生体験イベントでグランプリを受賞しました!(2022年2月)
→受賞記事はこちら!
このウニの発生研究を通して、自宅にシャーレやビーカーを使って海を表現することができ、今までよりもっと海が自分の近くに感じられるようになりました。海への興味も更に大きくなったので、今度は自宅に磯を表現できたらもっと楽しいだろうなと思っています。実際の磯に行ったことがないので、今度行って観察してみようと思っています。また、今育てているのはキタムラサキウニですが、他の種類でも発生研究をやってみたいと思っています。
ライフセーバーにも挑戦して、海を守るプロサーファーになりたいです。サーフボードを改造して窓をつけて、人命救助用にロープ、海ごみを拾えるようにトングとごみ袋、波乗り用にフィンとリーシュとワックスをしまえて、私のやりたいこと全部が出来ちゃうサーフボードを作り、そのサーフボードでサーフィンしながら海のパトロールをしたいです。
海と日本プロジェクトのさまざまなイベントに参加しながら、海への理解を深めていく「海のキッズサポーター」。今回取材をした井田かれんさんも、海のミライをしっかり考えてくれていました。
大好きなサーフィンの話をしてくれている時の目がキラキラ輝いていたかれんさん。ごみを拾って海をキレイにするだけに留まらず、小学生とは思えないレベルの海の環境問題や生態系の学びにも楽しそうに向き合う姿勢は、私たち大人が見習わなくてはいけないな、と感じました。これからの活動が楽しみです!海と日本プロジェクトでも美しい海を守るべくさまざまな活動を行なっていきます。海のキッズサポーターの皆さんとも力を合わせて色々な取り組みをしていきたいと思いますので、皆様も是非共有していってください。活動情報はSNSでお知らせしています!
海プロ東京Twitter: https://twitter.com/umiprotokyo
サマーキャンプでは、実際に救命ボート(日本で唯一のボランティアで成り立つ救命ボートステーションで、Atlantic Pacificが2016年にイギリスから寄贈) に乗ったり、ロープワークを実践したり、漁師体験もできるなど、体験型のバイリンガルキャンプを行っています。
Atlantic Pacific Japanでは、海での安全の知識、救命救助の技術、海洋汚染についての教育プログラムなど、若者を主体とした海に関するプログラムを展開。2022年3月には「海洋汚染の解決」をテーマにしたアイディアコンテストを開催予定です。→FBにて情報配信中
お茶の水女子大学による、海洋教育促進プログラムです。全国各地にウニの受精実験教材を一斉発送し、利用者同士をオンラインで繋いで一体感を持ちながら海を学んでもらおうというイベント。夏、秋、冬、とそれぞれの時期に繁殖期を迎えるウニを用いて、年3回の開催予定です。
今回、秋のイベントに参加してくれた井田かれんさん。先日のオンライン報告会でもパワポを使ってきっちりまとめた研究成果を、自分自身で発表してくれました。さらに、教材のマニュアルに沿った実験だけではなく、そこから興味を持ったことまで追加で実験しており、他の参加者達にも良い刺激になっていたと感じました。 (お茶の水女子大学 湾岸生物教育研究センター 和田様からのメッセージより)
東京都葛飾区
小学5年生
海と繋がっていると感じられて、海に愛されていると感じることができるところが、サーフィンの1番の魅力だという小学5年生のサーフガール。ビーチクリーン、タウンクリーンは勿論、海の安全、海の環境問題、海の生態などへの学びに対しても積極的です。将来の夢は海を守るプロサーファー。