レポート
2023.01.16

<海のキッズサポーター>水族館からはじまった海への想いが地球規模に拡大中!積極的に学びと向き合う、将来の海研究者!

 

海のキッズサポーター

水族館からはじまった海への想いが地球規模に拡大中!
積極的に学びと向き合う、将来の海研究者!

海のキッズサポーター

日本各地の「海に興味・関心がある子どもたち」と一緒に海のミライを考えるプロジェクト“海のキッズサポーター”。今回は神奈川県大和市在住の小学5年生をご紹介します。彼女の海に対する想いや海に携わる活動をご覧ください。

 

今までどのような経験や活動をしてきましたか?

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幼少期から水族館が好き

記憶はないのですが、2歳の時にはじめての水族館に連れて行ってもらったそうです。沖縄の美ら海水族館だったのですが、今まで見た事がない程の大興奮をしたらしく、それからよく水族館へ連れて行ってもらうようになり、水族館へ行くたびに大喜びしていたと聞いています。

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新江ノ島水族館

今でも水族館は大好きで落ち着く場所です。隣の市にある、新江ノ島水族館は本当によく足を運んでいて、小学1年生・2年生と連続で「新江ノ島水族館・なぎさの体験学習館子どもボランティア」に参加しました。これは2週間毎日通って学ぶ水族館の体験プログラムで、3人ずつのチームに分かれ、各テーマに基づく水槽を作り、お客さんの前で発表と解説をします。

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1年生の時は「共生」をテーマに、ゼブラウツボとアカシマシラヒゲエビが共生する水槽を作りました。参加者の中で1番年下で分からないことだらけでしたが、みんなが優しく教えてくれて、とても楽しめました。2年生の時は「クラゲ」がテーマ。好きなクラゲを選んで自分たちの水槽を作りました。この体験プログラムは水槽を作るだけでなく本物のお客さんの前で発表したり、質問されたら解説もしたりするので、とても緊張しますし、しっかり勉強しないといけないため大変なのですが、達成感が有りとても楽しいです。現在は、新型コロナウィルスの影響で開催されていなくて、とても残念です。再開されたらまた参加したいです。

 

八景島シーパラダイス海育塾

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2年生では、海の生きものや環境について学ぶ、八景島シーパラダイスの海育塾にも参加しました。ここで初めて温暖化をはじめ、ブルーカーボンについての取り組みや、海の環境問題を学びました。JAMSTECに初めて行って深海調査についての話を聞くこともできました。また、アナゴ漁の体験も行いました。アナゴやヌタウナギに触ったり、普段できない体験ができとても楽しかったです。

 

やまとみらいカレッジ

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3年生では、「JAMSTECの研究者が語る、海洋・地球・生命〜海から未来を見つめる研究者たち〜」を受講しました。全5日の大人向けの講義だったので、正直難しい部分も多かったのですが、海育塾でも習った海洋プラスチックや地球温暖化を更に詳しく学ぶことができ、環境問題への意識が強くなりました。また、地震や深海生物、しんかい6500についても、海育塾で教わったことをより詳しく知ることが出来ました。中でもウナギの生態やウナギ漁についての話はとても興味深かかったです。

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ちきゅう深部探査船の公開見学にも当選し、清水港まで行って内部見学もしました。今まで「面白そうだな」程度しか興味を持っていない分野でしたが、操舵室や採取したコアも見ることが出来て、興味が深まりました。

 

海洋インフォグラフィックコンテスト

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4年生になって、海と日本プロジェクトへの参加を始めました。海洋インフォグラフィックコンテストにも参加し、今まで学んできた海の問題の中から海洋酸性化をテーマに選びました。「大気の問題は海の問題」というタイトルで、空気中のCO2が海に影響を及ぼすということや、海の生き物への影響を調査し、ノミネートされました。5年生でも応募しましたが、残念ながらノミネートはされませんでした。来年は小学生最後の年なのでもう一度チャレンジしようと思っています。

 

海の手配師お仕事体験

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4年生の秋には、海のお仕事体験プログラムで「海の手配師」のお仕事体験をしました。海の手配師とは、ブルーコーナー代表の石垣幸二さんが作り上げたお仕事のことで、世界中の海から生き物を捕獲し、世界中の水族館や店舗に手配するお仕事です。カクレクマノミやチンアナゴ、タカアシガニを水族館へ発送する業務を体験したり、サメの輸送をお手伝いしたりして感激しました。この出会いをきっかけに、石垣さんには自宅の水槽作りをする相談に乗ってもらったり、魚の問題を聞いたりと、私の大切な師匠の一人となりました。

 

みんなのあおいろロケ参加

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4年生の3学期には、海ノ民話のまちプロジェクトの上映会に参加し、神奈川県藤沢市に伝わる「五頭龍と弁天様」という話を見ました。その後、番組ロケに参加して、民話の舞台である江の島へ行き、江島神社や岩屋にも足を運びました。なじみのある島だったにも関わらず、初めて訪れる場所で、初めて聞く話ばかり。少し難しいことも多かったですが、興味の幅がまたひとつ広がりました。その後、ここで学んだことを伝えたくて、友達や親戚を江の島に案内もしました。

 

現在の活動について教えてください

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ビーチクリーン

新江ノ島水族館では毎月第3日曜日に「えのすいecoデー」というビーチクリーン&ビーチコーミングのイベントを開催しています。私は、海ごみを少しでも減らしたいという思いがあるので、昔からよく参加しています。何回行っても海ごみは減りませんが、これからも積極的に参加していきたいと思います。

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子どもボランティアやビーチクリーンに参加しているので、トリーターさん(飼育員さんの事)たちとも顔馴染みとなりました。今ではひとりでぷらっと新江ノ島水族館へ行って、知っているスタッフさんやトリーターさんとお話しする仲に。楽しい学びの場であるのは勿論ですが、心が落ち着く大切な場所になっています。

 

海のお仕事体験

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今年の夏&秋は、海のお仕事体験に6個参加しました。海の手配師は昨年に続いて2回目の体験をした他、海上保安庁のお仕事体験、柿田川の外来植物駆除体験、幼魚水族館での飼育体験、下田海中水族館での深海PR体験、深海漁師の体験と、毎週のように参加しました。なぜこんなに体験したかというと、私は将来、海や環境にまつわる研究者や学者になりたいと思っているからです。海といっても色々な仕事があるので、まずは沢山知っておきたいと考え、沢山参加しました。

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水族館ひとつをとっても、主に魚の赤ちゃんを扱っている幼魚水族館と、大きい水槽で深海魚を扱っている下田水族館では、温度管理や魚の扱い方などが異なっていて、それぞれの大変さも違っていました。そういった発見が出来たことも面白かったです。

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新しい発見が多く、一番興味深かったのは海上保安庁のお仕事体験です。仕事内容を学んだ後に外に出て、人が海に落ちたらどうするか、ペットボトルを投げたり、救助の仕方を学び、巡視船しきねという船に乗って船の仕組みなども教えてもらいました。普段あまり意識をしたことのない仕事でしたが、興味が湧きました。

 

今後やりたいことを教えてください。

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透明標本

今年は東京海洋大学の文化祭にも行きました。透明標本がとても綺麗だったので、残しておいたお年玉で買って、大切にしています。実は自宅で飼育していたトゲチョウチョウウオ(写真右)が死んでしまったので、標本にしようと冷凍保存してあります。東京海洋大学で出会ったこの透明標本が素敵だったので、これを作りたいと思ったのですが、東京海洋大学のお兄さんやお姉さんに相談してみたところ、かなり高価な薬剤や、劇薬なども使用する必要があるそう。簡単にはできないと分かりましたが、6年生の自由研究でチャレンジをしたく現在模索中です。

 

生き物飼育から地球全体まで

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トゲチョウチョウウオがいなくなり寂しくなっていた水槽に、デバスズメダイを迎え入れ飼育をはじめました。今度は長生きしてもらえるように、しっかり観察をしながら一生懸命育てたいと思います。また、探究学舎という興味開発型の学び教室で「地球」についてのコースをとって、環境や地球全体のことを学びはじめました。1月から地球共生編で生き物が関わってくる授業があるのでそれを楽しみにしています。

 

ダイビング

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本当は9月に体験するはずだったダイビングが台風の影響で流れてしまいました。シュノーケリングでは見られない、海の中の世界を自分の目で見たいという夢があるので、来年かならず実現したいです。

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目標としている人は海洋生物写真家の峯水亮さんです。ダイビングをしながら水中写真を撮っていてる写真家さんで憧れています。

 

師匠について

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海の学びはとても面白いのですが、本やインターネットだけでは分からないことも多く、そんな時は、沢山の師匠がサポートしてくれています。 飼育や水槽に関しての師匠は、お仕事体験で出会ったブルーコーナーの石垣さん(写真右)です。 鈴木香里武さん(写真左)とも、海洋インフォグラフィックコンテストや、幼魚水族館のお仕事体験の他、何度もお会いしているので、顔を覚えてくれました。忙しい方ですが、水槽に入れる魚について相談した時に「何か魚のことで悩みや相談があったらいつでもメッセージしてね」と、言ってくれました。

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また、絵を習っているので海の絵も大好きです。水棲生物画家の繁田穂波さんの大ファンで、ライブペイントに参加させてもらったり、先日は個展にも行ってきました。繁田さんは、画材のことや、アートと環境問題の関わり方を教えてくれる絵の師匠です。

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そして、いつも足を運んでいる新江ノ島水族館のスタッフさんやトリーターさんも師匠です。学びの出会いによって、尊敬する人たちが私の師匠になってくれ、沢山のことを教えてくれるので、学べば学ぶほど、どんどん海が好きになっているなぁと感じています。

海のキッズサポーター

海と日本プロジェクトのさまざまなイベントに参加しながら、海への理解を深めていく「海のキッズサポーター」。今回取材をした、Ayaneさんも、海のミライをしっかり考えてくれていました。 水族館好きの女の子が、海の生き物から海全体、地球全体へ関心を広げ、積極的に学ぶようになっていく姿には、沢山の専門家が手を差し伸べてくれていました。ますます深まる探究心。これからの活動が楽しみです。海と日本プロジェクトでも美しい海を守るべくさまざまな活動を行なっていきます。海のキッズサポーターの皆さんとも力を合わせて色々な取り組みをしていきたいと思いますので、皆様も是非共有していってください。活動情報はSNSでお知らせしています!

海プロ東京Twitter: https://twitter.com/umiprotokyo

→ ブルーコーナー

私の師匠でもある海の手配師の石垣幸二さんが代表をしている、海洋生物の調査・捕獲・輸送・飼育・展示を行う海のスペシャリスト集団の会社です。

→ 幼魚水族館

私の師匠でもある岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんが館長を務めている、小さなお魚の水族館です。

→ 新江ノ島水族館

私が1番落ち着く水族館です。相模湾の海中を再現した相模湾大水槽を中心に、浅瀬から深海へと深度ごとの展示水槽があります。

→ 水棲生物画家・繁田穂波さん

私の絵の師匠です。水辺に暮らす生き物を題材として、生命の循環をテーマに作品を描いています。

→ 海洋生物写真家・峯水亮さん

私の憧れの水中写真家さんです。プランクトンをはじめとする海中生物の美しさを捉え、生命の偉大さを写真や映像で伝えています。

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ニックネーム:Ayane

a 神奈川県大和市
小学5年生

水族館からはじまった海への想いが、地球全体への関心に広がっている小学5年生の女の子。積極的な学びで知り合った沢山の師匠がサポートしてくれる中、海や環境にまつわる研究者や学者になる夢に向かって邁進中です。

海のキッズサポーター公式ページ

 

出演番組・動画

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みんなのあおいろスペシャル2021! 海洋インフォグラフィックコンテスト篇
海のキッズサポーター 2022年3月
みんなのあおいろスペシャル2021! 海ノ民話のまちプロジェクト篇
海のキッズサポーター 2022年6月
こどもわーく 海の手配師 石垣幸二さんのお仕事@静岡県沼津
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みんなのあおいろ2022 #15 海のお仕事体験
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