海と魚が大好きな中学生たちが、海の未来をテーマに、水族館の特設展示をプロデュース!北海道でのフィールドワークを踏まえ、いよいよ制作作業に入りました。(こちらは後編です。前編を読んでない方はこちら)
札幌から戻ったレジェンドキッズたちは、まず各自の宿題に取りかかりました。シシャモの生態についてのリサーチや、知り合いを通じて収集するアンケート作り。お互いに住んでいるところは遠く離れていますが、集めた情報はインターネット上で共有してインフォグラフィック制作を進めました。
オンラインミーティングを何度か繰り返し、レジェンドキッズのつくった原案を、プロのデザイナーさんの手で展示用ポスターにまとめてもらいます。AOAO SAPPOROの雰囲気に合うテイストになり、スッキリ見やすくなりました。
さらに!日本財団 海と日本プロジェクトの海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクトに参加している萩原さん。講師である吉本さんのもとを訪ね、シシャモの3Dモデルをつくることにしました!
本物のシシャモをスキャンして作る3Dモデル。「3Dモデルは触れないものでも手にとって見ることが出来、感動が乗るような体験を与えられる。今回の展示ではそれを先陣切ってやっているので、是非成功させてくてください!」と、吉本さんからもエールをもらいます。
2024年年明け、3人は展示公開の前日に現地入りし、自ら設営をしました。前回の下見からレイアウトを考え直し、小さい子どもでも見やすい展示の高さを心がけました。
レジェンドキッズプロデュースの特設展示スペースが完成です!「北海道と海の未来展」展示の目玉は大きく3つ。1つ目は、レジェンドキッズが分担して調査結果をまとめたインフォグラフィックのパネル。2つ目は、萩原さんが作ったシシャモの3D模型。3つ目は、海水温の違いを実際に手で体感できる水温の違う2つの水槽です。
初日はレジェンドキッズによるプレゼンも開催。トップバッターの三輪さんは、「調査したアンケートの結果、北海道の中学生でも本シシャモ離れが進んでいる」と言うことや、「シシャモが減り、希少となってしまった理由に温暖化による海水温上昇が考えられる」という発表をしました。
続いては、萩原さん。本物をスキャンして作った3D模型を使用しながら「本シシャモは目や口、ウロコが大きいが背びれが小さい。カラフトシシャモは、本シシャモに比べると目や口、ウロコがが小さく、背びれが大きい。」と、シシャモの特徴について発表。なるほど、とても分かりやすいです。
最後の発表は鈴木さん。「40〜50年前は漁獲量が200トン。2010年頃から減り、2021年は2トン、2022年は100kgに満たず、2023年は漁を中止しました。地球温暖化は、シシャモだけの問題ではありません。きっと他の生き物も同じです。」と、地球温暖化と漁獲量の因果関係についての発表しました。
最後に3人は「AOAO SAPPOROで生き物を見て、楽しんでいただく時に、少しだけ、北海道のこと・海の未来のことも思ってください。今日はありがとうございました!」と、ご挨拶。お客様から大きな拍手をもらいました。子どもにも分かりやすい丁寧なプレゼンテーション。特設展示の狙いが来場者にもしっかり届いたようです。
「本シシャモが2019年よりもずっと減っててびっくりました」と小学生の女の子。プレゼンと体感型の展示で、小さな子でも理解が深まったようです。
「温暖化の影響でシシャモが減っていると聞いて、私もシシャモが大好きなので、守っていくために、温暖化を止められる行動をしていきたいと思いました。」と、レジェンドキッズと同年代のお客様。しっかり自分ごととして捉えてくれていました!
フィールドワークでお世話になったむかわ町の方々も、発表を聞きに駆けつけてくれていました。「皆んな本当に深く勉強してくれたのだなぁと感激しました。」と、むかわ町総合政策課の栃丸課長。
「見に来た人が皆んなシシャモのことを考え、海の未来を考えるきっかけになるんじゃないかなと、思いました。」と、むかわ町農林水産課農業水産グループ長 飛岡主幹も笑顔。嬉しい声をいただき3人もホッとしました。
「プレゼンだけでなく、この展示を作れたのは皆さんのご協力のお陰です。水族館の人をはじめ、フィールドワークで出会った方々を尊敬しましたし、得た情報を多くの人にシェア出来たことが良い経験になりました。これからに活かせそうです。ありがとうございました。」と、鈴木さん。
「AOAO SAPPOROという新しい水族館とこんなすごいコラボレーションができて、企画を引き受けた当初の自分に展示を見せたらビックリすると思います!」と、萩原さん。
「実際に小さい子が体験して「分かりやすい!」と、言ってくれて。私たちでもこんな事ができるんだと思いました。これからもレジェンドキッズのみんなで色々できたらな、と思います。」と、三輪さん。
水族館にとっても有意義な展示となったのでしょうか? 「水の問題、海の問題はとても深刻で、本当に考えていかなくてはいけません。レジェンドキッズが若い考え方で、小学生などに伝えるにはどうしたら良いかを考えてくれたので、良いアウトプットになりました。僕らではできないですね。」と、山内館長。
中学生の目線だからこそ生まれたユニークな展示と、堂々としたプレゼンに山内館長も大きな拍手!3人と笑顔で握手を交わしました。
みなさまからの好評を受け、2月23日から3月3日まで、第2回目の「北海道と海の未来展」の開催が決定しました!ぜひ、ご来館ください!「海の未来」を考えるきっかけが見つかるかもしれません。
1月の展示で来場者に実施していたシシャモに関するアンケートの結果や、多くの方々から、頂いたご意見や感想も展示させていただきます!
現在、地球上では、様々な海の問題を抱えています。それぞれの地域ごとで問題は異なりますが、1人1人が自分ごととして現状を知ることが重要です。
レジェンドキッズの工夫を凝らした展示を通じて、多くの人に北海道の海の異変を伝えることが出来ました。次にレジェンドキッズが向かうのは、あなたのまちの海のかもしれません。
みんなのあおいろ30分スペシャル 番組アーカイブ<COMING SOON!>