海マニアの子供たちが日本じゅうから集まり、3日間にわたって様々な学習を行った、全国こども熱源サミットでは、普段できない体験が盛りだくさん。
海上保安庁の測量船に乗船し、船内の見学もしました。
「知らない船の設備を見る方ができて楽しかったです。」と、北海道在住の伊藤晏理さん。
海マニア憧れの東京海洋大学では、南極やプランクトンについての授業を受けることができました。
熱心に学ぶ子供たちの原動力はもちろん「海が大好き」だから。だからこそ環境問題を自分ごととして考えているのが、熱源ジュニアなんです。
熱のこもった発表には専門家も驚愕。「20人いたら20通りの海の見方、そして活動の方法があるのだなという、その幅広さを改めて感じました。」と岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さん。香里武さんも感動した個性豊かな取り組みの一部をご紹介します。
沖縄県在住の田中獅礼くんはマイクロプラスチック回収ロボットの製作を発表。
プラスチックの水に浮く性質を利用し、水を張り、砂をふるいにかけ、水の上に落とし、水に浮いてきたマイクロプラスチックを回収するという仕組みで回収ロボットを作っているのだそうです。
埼玉県戸田市の三輪風乃衣さんは、ごみ拾いの相談で埼玉県戸田市の菅原市長に手紙を書きました。
そして光栄なことに、手紙を届けてから3日後にお返事をいただき、10日後には市長と一緒にごみ拾いを実現。悩んでいたごみ拾いの問題点が色々と相談出来たのだそうです。
福岡在住の重永悠喜くんは、2年5ヶ月で、お母さんと2人で7561ℓのごみを回収。
「僕の提案はデジタル庁がごみ拾いアプリ「ピリカ」を全国の市町村に導入させることです。不法投棄や清掃されずにごみが溜まる場所を把握するだけでもかなり問題は解決すると思います。河野大臣よろしくお願いします!」と、悠喜くん。
その「ピリカ」とはどういうものなのでしょうか?実際にどのように使うのか、悠喜くんの地元福岡県で活動を見せてもらいました。すると、埼玉県に住む風乃衣さんも合流。
「仲間のフィールドに行って、活動を実際に見てみたかったんです」と、風乃衣さん。彼女が住むのは、海のない埼玉県ですが、海ごみの原因となる川のごみを清掃するチームを立ち上げ、精力的に活動をしているのです。
そんな2人が訪れたのは、福岡県北部にある芦屋海浜公園。悠喜くんが発表した通り、この美しい海岸にもやはり多くの海ごみが。特に多いのが岩場。流れ着いたごみが岩の隙間にどんどん溜まっていくんです。
「特に魚網が多いです」と、悠喜くん。魚網はサイズも大きく、岩に引っかかったらなかなか取れません。
中にはこんなものまで、「重いし大きいし…取れたとしても運ぶのが大変…」と、風乃衣さん。これでは、ジュニアたちの心が傷つくのも当然です。
大好きな芦屋の海を守るために、悠喜くんがこれまで回収したごみの量は7500ℓ以上。
その際活用していたのがスマートフォン。ピリカというアプリでごみ拾いを通じて全国の人と繋がれるのだそう。
ピリカは自分が行ったごみ拾いを投稿し、写真はもちろん、地図やごみの量などの活動成果をユーザー同士で共有できるアプリ。実績データを残せるので、やりがいや楽しみにも繋がります。
グループを作る機能もあるので、サミットで出会ったみんなとも繋がっています。
仲間と繋がっているという一体感があれば、より積極的に活動に取り組むことができますね。
この日で悠喜くんが回収したごみの量は1万ℓを突破しました!
「“1人の100歩よりみんなの1歩”という言葉を学校先生から教わり、それをごみ拾いでも実践してみようと思ったんです。」という悠喜くん。その思いがあるからこそ、アプリで全国の人と繋がり、清掃活動を盛り上げてきたのですね。
「共感しかないです。私も1人だと何もできないと思ってたのですが、学校で仲間を集めてごみ拾いをやってみると、楽しく継続的にできるっていうことがわかったので、まず仲間を集めてみんなで1歩するのがいいかなと思いました。」と、風乃衣さん。
大好きな海のためにみんなで歩む第1歩それはごみ拾いに限ったことではありません。
海洋生物についてもっと知りたい。自然現象のメカニズムを学びたい。海で働く職業に就いてみたい。アプローチの方法が違っても、その思いは全て海を守ることに繋がっていきます。
熱源ジュニアが放つ無限の熱量は、豊かな海を未来に残すための大きなエネルギーとなることでしょう。
「全国こども熱源サミット」。海の生物発表や、千葉木更津の干潟での潮干狩り&クッキングの様子は前編をご覧ください!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
全国こども熱源サミット篇 〜WEBまとめ前編〜