日本財団が2022年6月に実施した海に関するアンケート調査。この1年間で海に行かなかった人の割合はなんと45%だったそう。海に行く回数が減れば、それだけ海に対する親しみや理解の減少に繋がってしまいます。
その主役は子供たち。海に触れ知ることで、興味や関心が増えて、様々な海洋問題の解決へ向けたアクションの輪が広がっていきます。
地球の7割を占める海。この海を守ることは私たち自身の未来を守ることに直結します。そのためのアクションとして海と日本プロジェクトでは5つの柱を設けています。海を学ぼう。海をキレイにしよう。海を味わおう。海を体験しよう。海を表現しよう。どれも面白そうな項目ばかり。1つづつ紹介していきましょう。
「海を学ぼう」子どもたちが大興奮で参加しているこのイベントは、「子ども海のクイズ王」6年生が5人1組になって海洋問題に関するクイズに挑戦します。
クイズの前にはレクチャータイム。ここで学んだ内容がクイズになるので、みんな真剣そのもの。
クイズはテレビ番組さながらの本格的なスタイル。みんな大盛り上がりです。
「楽しかったです!」「すごく楽しい!」「いろいろなことを知れました!」「ボタンを押したかったので、当たった時、超気持ちよかった!」と子どもたち。
「クイズを使うことで学習意欲が高まるので、この後クイズに出るんだと思うことで、難しい問題も覚えられるように工夫しました。みんなが海に関心を持てば、これからも美しい海の日本が続くはずだと思っています。」と、クイズ作家の古川さん。楽しみながら学べるなんて最高の学習になりましたね。
続いてはアニメーションで学ぶ取り組み「海ノ民話のまちプロジェクト」。日本各地には海を題材にした民話がたくさん!その民話には教訓や地域の歴史など様々な知恵が詰まっているんです。それをアニメ作品にして未来に伝えていくという取り組みなんです。
オンラインでの上映会も開催。参加したのは、日本各地の小学生。
神奈川県藤沢市の「五頭龍と弁天様」。水害を起こす五頭龍が弁天様に一目惚れし、結婚するために改心する江の島が舞台の民話です。
江の島はデートスポットになっているのですが、それは五頭龍と弁天様が結ばれたと言う縁結びが現在にも引き継がれているから。「江の島には何度か行き、弁天様が神社にいることは知っていたんですけど五頭龍が神社にいることは知りませんでした。」とアニメ上映を見た笠井さん親子。実際に江の島を訪れ、弁天様の二つのご尊像と、江島縁起という神社のいわれをまとめた絵巻物を見させてもらいました。
また龍宮大神にも参拝し、五頭龍に会いにいきました。「自分たちの知らない時代や、祖先がどういうふうに過ごしてきたのかということに少し触れられる感じがしました。」「絵巻の続きが気になりました。」と笠井さん親子。アニメを見て民話に興味を持ち、自分の足で現地を歩く。とても貴重な体験学習です!
この他にも、海洋マンガ「ブルーハンター」や、プロの噺家による海の落語プロジェクトなど、楽しみながら学べるイベントがたくさん!まず海を知ることから始めてみましょう。
2つ目の柱は「海をキレイにしよう」
世界規模の問題になっている海洋プラスチックをはじめとする海ごみに対して、海と日本プロジェクトでは様々な取り組みを行ってきました。
まずは、スポGOMI。日本全国の高校生が環境美化とスポーツが融合した競技で、3人1組のチームで拾ったごみの量と種類でポイントを競い合う日本発の地球に優しいスポーツです。
各チーム、効率よくごみ収集ができるように工夫を凝らしたオリジナルの掃除グッズを用意。中には電卓とラジオを引っ付けたと言う金属探知機を手作りしてきたチームも!
制限時間は60分でたくさんのごみが集まりました。
「ごみ拾いすることで環境問題が改善されるなら、やる意味が感じられます!」と優勝チーム。実は海ごみの8割が川から海に流れてたもの街を綺麗にすることは海を綺麗にすることに繋がります。街も海も意味がないのが一番ですよね。
そして次は、コスプレイヤーがごみを拾う秋の海ゴミゼロウィークのキックオフイベント。
コスプレイヤーがごみを拾って情報発信することで、より多くの人が環境美化に関心を持ってもらうことができるんです。「ベンチの下とか見るとすごくタバコが多い。人目につかなければ捨ててもいいというのが1番よくないと感じました」と、コスプレーヤーさん。
「ポイ捨てをしないで、1人1人がちゃんと自分が出したごみを処理すれば、この大きな海を救うことができるよ!大きな海を救うということは、世界を救うことにも繋がる!いろんな人を救える君はまさにヒーローだ!一緒にヒーローになろうぜ!!」と、リアルライフヒーローのスラウザーさんも呼びかけました。
海と日本プロジェクト3本目の柱は「海を味わおう」
「海のごちそうフェスティバル」では、日本各地の海産物を使った美味しい特産品を販売。美味しさとともに、海の問題や未来について考えるきっかけ作りになってほしいという思いが込められたイベントです
「お魚を食べる機会が少ないお子さんも多いと思うのですが、美味しいなと思ったら、美味しい魚をずっと食べていけるようにするために、どのようなことが今必要なのか、考えてもらえるきっかけになるのではないかと思っています。」と海と食文化フォーラムの國分事務局長。
海の美味しい料理といえば、やっぱりお寿司!「日本さばける塾」は、魚を捌くことで、海を大切にしたいという思いを育む取り組みです。プロの手ほどきを受けながら握ったお寿司が手作りのPOPと一緒にレーンを回ります。
美味しい料理をする子供たちの姿に職人さんも舌を巻きます。「やる気があるのと積極的に覚えよう、楽しもうという姿勢が皆さんにあったので、教えがいもありましたし、わずかな時間でも成長が見られたので新鮮で嬉しかったです」と銚子丸の佐々木取締役。お寿司と貴重な体験、その両方が味わえるイベントでした。
現代の子供たちにはこれが一番不足しているのかも?「海を体験しよう」
海の玄関口マリーナ。海で働く人たちのお仕事を体験するイベントが「海のお仕事図鑑」です。
海で働くためには勉強も大切。海の運転に必要な基礎知識を学びます。
講義を受けたら、実際に船に乗って出発前の安全点検を行います。点検が済んだら海へ出発。
広い海に出たときには、ごみにも出会いました。
「環境問題や魚食問題など、体験等を通して感じ取れるものを我々は作っていきたいと思っています。そしてそれを通して子供たちにも海を考えるきっかけになればいいなと思っております。」と、イベントプロデューサーの有金さん。最後はボートを実際に利用するお客さんをご案内。見学だけじゃない充実した体験になりました。
海初心者でも安全に楽しめる体験イベントが「海にいこーよ!海のおもいで創造プロジェクト」。
ライフセーバーが海の楽しみ方を教えてくれるから安心。海に慣れたら、お次はボディーボードに挑戦。初めての海だと大丈夫かなって思いますよね。でも、海のプロが一緒だから誰だって楽しめちゃうんです。
「保護者の方が連れてこられないから海に来たことがないとか、「怖い」と言ってる子たちがいっぱいたんですけど、去年の写真を載せておいたら、みんな行きたい行きたい!となりました。僕らだけだと安全を守れないので、こういった体制で安全を守ってくれるのは、安心ができて、預けやすいな、と感じます。」と、キンダリーインターナショナルの黒羽根さん。子供はみんな海が大好き!直接触れる機会を増やすってすごく大切なことですね。
5本の柱、ラストは「海を表現しよう」
海と日本プロジェクトでは、インプットだけでなく、アウトプットも重視しています。本やインターネットなどで学んだことやフィールドワークで感じたことなど、自分が大好きな海について発表する「海のキッズサポーター全国プレゼン大会」。
小学生とデザインの専門学校生が協力して制作する、「海洋インフォグラフィックコンテスト」。
地元の海を描いて地域おこしに役立てる海ポスなど、海が大好きな子供たちが自由に表現できるイベントを隔週開催しています。
最新の3D技術を活用して未来のプロフェッショナルを育成する「海洋研究3Dスーパーサイエンスプロジェクト」。「海洋研究の現場でかなり3技術を活用したいという声が多く、鯨など大きいサイズを並べて観察しようとした際、場所がなくて並べられませんが、3Dデータにすると、測るのが難しかったサイズや比率もデータ上で確認できるので、3Dと海洋生物研究はかなり相性がいいということで今回やらせていただきました。3Dという括りは非常に大きいですが、1つ学ぶことによって将来いろんな分野に行ける道が開けるんじゃないかなと思っております。」と、吉本アートファクトリーの吉本代表。
受講した子供たちの成長は目覚ましく、8ヶ月でこれだけ完成度の高い3Dモデルを作れるまでに。まさしく子供の可能性は無限大。大好きな海のことならなおさらですよね。
海と日本プロジェクトの取り組みいかがでしたか?今回ご紹介できたのは一部に過ぎませんが子供たちの真剣な眼差しと、とびっきりの笑顔で活動の意義が伝わったのではないでしょうか?日本人の海離れを食い止め、美しい海を未来に繋いでいくために、子供たちにより多くの機会を与えていきたいですね。
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次回のみんなのあおいろは・・・
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