漁港の魚を採取しているこの少年は、日本財団 海と日本プロジェクトが認定する海のキッズサポーター黒川琉伊くん! 琵琶湖の魚について全国大会で熱いプレゼンを披露し、毎日のように琵琶湖に通う魚好きの少年です。
そんな彼に、今度は海の事も知ってもらいたいと誘い出したのが岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんです!
今回はこの2人が漁港と水族館で生きもの調査!最初に訪れたのは大阪・堺市の出島漁港。香里武さんお得意のタモ網を使って、この漁港にどんな生き物がいるのか観察します。
夜7時頃が満潮とのことで、それまでの時間で大阪湾について予習。大阪湾には琵琶湖からの栄養が流れ込んでいるからたくさんの生き物が育つのだそう。陸と海が強く繋がっていることを学びました。
夕日が沈んだら、お待ちかねの岸壁採集開始!光を当ててプランクトンを集め、そのプランクトンを食べに来る魚を狙います。
最初に採れたのは釣餌としてもお馴染みの「フツウゴカイ」。本来は海底で暮らすゴカイですが産卵のために海面に上がってきた、泳ぐためにちょっと進化バージョンだそうです。
次にチェックしたのは「プランクトン」。海水を細かい網ですくってみると沢山の点々が。これらはコペポーダーというプランクトン。小さな魚にとっては絶好のご馳走なんです。
このコペポーダーを食べに来た魚を次々に捕まえます。こちらはスルメイカの赤ちゃん。
お次は体調5cmほどのアユ。1年で一生を迎えるアユ。淡水魚というイメージですが、実は海で成長するんですって。
その後も、ボラ、マコガレイ、ムラソイなどの魚をゲットしていきます。
2人が興奮したのは「ヨウジウオ」。枝や海藻の切れっぱしに擬態して身を守ってるのだそう。大阪湾は魚の楽園。そしてこの魚たちを支えているのが、数多くのプランクトンだったんですね。
翌日、さらに生き物を詳しく勉強するべく2人がやってきたのは大阪市にある世界最大級の水族館「海遊館」。魚好きの誰もが憧れる海遊館がフィールドワークに協力してくれました!
まずはプランクトンを捕食するイワシを見学。光合成をすることで植物プランクトンが増え、それをまた動物プランクトンが食べ、その動物プランクトンを、イワシのような小型魚が食べ、そして中型、大型魚が食べていきます。
カタクチイワシの捕食について、海遊館の北藤さんが映像やパネルを使って詳しく説明をしてくれました。口を開けて水ごと餌を吸い込み、「さいは」によって水と餌を分けているそうです。
さらに!海遊館名物のバックヤードにお邪魔して、ジンベイザメの餌やり見学。大迫力の豪快ランチタイムに大興奮しました。
魚の捕食を学んだら、次は餌のプランクトンを学びます。昨日漁港で採取してきたプランクトンを顕微鏡で調べてみます。
プランクトンを採取できる細かい網で海水をこし取ったら、スポイトで吸い上げて顕微鏡へ。
いました!いました!触覚はピンと伸びてるこの子が「コペポーダ」です。
細長いのが「ヤムシ」。肉食性が強く、自分より大きなものでも食べてしまうのだそうです。ミクロの世界でも厳しい生存競争が行われていたんですね。
こちらは殻を見つける前のヤドカリの仲間。こういう動物プランクトンをイワシなどが食べているのですね。普段見ることがない生物に黒川くんも興味津々です。
そしてこの動物プランクトンの餌となる植物プランクトンは、一見何もいないように見える海水の中にいます。肉眼では見えませんが顕微鏡を覗くと…鎖が繋がったような珪藻の仲間「スケレトネマ」がいました!
漁港の岸壁でのプランクトンを観察し、水族館でプランクトン食性の魚たちを見学。顕微鏡を通してプランクトンの姿も見ることができ、大阪湾の食物連鎖を学ぶことができた黒川くん。琵琶湖・川から海への繋がりをとても感じ、琵琶湖だけでなく海の生き物にも興味の幅を広げたようです。
今回のフィールドワークで得た学びを黒川くんの得意な絵で表現してくれました。今度は夏に岸壁採取して四季の移り変わりを見たり、海にも潜ってみたいそうです!
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次回のみんなのあおいろは・・・
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