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2021.06.19

横浜・八景島シーパラダイスの海洋教育 〜番外編〜

第6回 みんなのあおいろ 番外編!

番組で紹介しきれなかった
横浜・八景島シーパラダイスの海洋教育!

6/19放送「みんなのあおいろ」で紹介した「横浜・八景島シーパラダイスの食育」。2分番組では収まりきらなかったので番外編ページにまとめました!

 

まずは・・・横浜・八景島シーパラダイスとは
どんな水族館ですか?

横浜・八景島シーパラダイスには四つの水族館で構成されています。1つ目が「アクアミュージアム」で一番大きな施設です。こちらには約700種12万点の生き物がが暮らしておりまして、お魚だけじゃなく、ホッキョクグマやカワウソ、森に暮らすレッサーパンダやカビパラなども暮らしているんです。

2つ目は「ドルフィンファンタジー」。ここには円柱の水槽にマンボウが居たりイルカが頭上を泳いだりととても幻想的な施設です。今まで見たことのない視点で生き物を近くに感じることが出来るかと思います。

3つ目は「ふれあいラグーン」。こちらではショーに出るようなペンギンやイルカを実際に触れることができる施設です。プログラムによっては予約が必要ですのでホームページを確認してみてください。

そして4つ目が「うみファーム」。ここでは釣った魚を食べてもらう食育や、横浜ブルーカーボン事業の取組みをおこなっていて、海の環境を身近に感じてもらいながら、海や食の大切さを楽しく学べる施設となっています。

水族館で食育!?
うみファームの食育とはどういったものですか?

うみファームは本物の海と繋がっている「網の生簀」で釣りが出来るようになっています。しかし、釣り自体を楽しむ施設ではありません。釣った魚を食べてもらうための施設です。自分が釣った魚を自分で食することにより「命の重さ」や「ありがたみ」をリアルに感じていただけます。

ゆくゆくは食品ロスを考えるきっかけにもなって欲しいなと考えているため、釣れるだけ釣るのではなく、食べられる分だけ釣ってもらいます。また、釣った魚は生簀に戻したり、持ち帰ったりせず、全てこの施設内で食べてもらうようにお願いしています。

 

うみファームはいつ頃どのようなきっかけで取り組み始めたのですか?

2013年頃からです。それまでこのエリアはマリーナのような船着き場みたいな感じでした。当時、食育というものが世間的に話題になりはじめていたのですが、当時の水族館は「生き物を見るだけ」で、食育に取り組んでいる水族館はあまり無かったんです。それで食育に目線を向け、水族館ならではとはなんだろうと考えました。

展示してある生き物だけでは食育をうまく伝えられない。せっかく目の前に海もあるので、じゃあ実際に釣ってもらって食べてもらえる施設を作ろう!という考えに居たり、現在の「うみファーム」という形になりました。

 

釣った魚は自分たちで捌くのですか?

基本的にお客様は捌きません。施設内にある指定のレストランに持ち込んでいただければ、調理スタッフが捌いて調理してくれます。からっとキッチンでは厨房がガラス越しに見えますので、捌くところや調理の様子までじっくり見学もできます。

唐揚げやアジバーガーなど美味しく仕上げてくれますのでオススメですよ。

 

お客様からの反響はどうですか?

「かわいそう」という声も聞くのですが、実際ここに来て釣って食べて「命をいただいている」ということを感じると、魚が苦手だったお子さんも魚が食べられるようになったですとか、食事のときに「いただきます」「ごちそうさま」をしっかりと言うようになったという親御さんからの嬉しい言葉を多くいただいています。

 

大事に育てている魚を食べさせるのは辛くないですか?

私たちが飼っているのはペットではありません。お客様に生命の繋がりですとか、生き物のすごさを伝えるために働いていますので、食べてもらって、それを感じてもらえれば嬉しいことです。

 

心に残るエピソードはありますか?

釣った魚を「かわいそう」と言って、バケツに水を入れて持って帰ろうとするお子さんの姿は何度か目にしました。親御さんもどう言っていいかわからない、となっている場合には、「釣った魚は食べない方がかわいそうなんだよ」というお話をさせてもらってます。

 

うみファームでは横浜ブルーカーボン事業への取り組みもしていると言っていましたが、これはどのようなものですか?

横浜ブルーカーボン事業とは、海洋資源を活用した温暖化対策プロジェクトのことです。森の緑と同じように海藻など海の生き物も二酸化炭素を吸収・削減に貢献しているということで、うみファームでは現在わかめと昆布の養殖をしています。「うみファームで二酸化炭素を吸収して、それを私たちが美味しく食べる」そういうプログラムですね。12月頃には種の植え付けのイベント、3月頃には収穫のイベントも行なっています。

 

オオグソクムシも食べられます!

釣りだけでなく、食育の幅も広げたいと言うことで、キモかわいい深海生物として最近よく耳にする「オオグソクムシ」や生きた化石と言われている「ヌタウナギ」、冬限定でタカアシガニなども、皆さんに召し上がっていただくようとして飼育しています。せっかく水族館に来ていただいているので、あの味はどうなんだろう?と、探究心のあるお客様には是非提供していきたいなと、考えました。本日は「オオグソクムシ」だけですが、唐揚げにすると美味しいですよ。

 

最後にメッセージをお願いします。

お子様はもちろん、全てのお客様の様に感じていただきたいのは「我々は生き物の命をいただいて生きている」「海の資源は無限にあるわけではないので気を配りながら生きていかなくてはいけない」ということです。そして、その先にある海の環境にも興味を持ってもらえたら嬉しいです。海は地上とは異なる未知の世界ですが、宇宙と違って足を伸ばせばすぐに行ける距離にあります。たくさん興味を持ってもらい、どんどん海へ出かけて欲しいと思います。

お話してくださったのは、横浜・八景島シーパラダイスの飼育員・田中勇祐さん。うみファームの他に、大水槽のサメの飼育を行ったり、タツノオトシゴの繁殖なども担当されているベテラン飼育員さんです!とても丁寧に教えてくださりありがとうございました!

八景島シーパラダイス公式サイト: http://www.seaparadise.co.jp/

横浜ブルーカーボン事業について: YOKOHAMA BLUE CARBON

 

 

水槽の魚やイルカショーを見るだけでなく、釣って食べて、目の前の海を感じて楽しめる横浜・八景島シーパラダイス。自然環境の大切さを、子供一緒に遊びながら学んでいけるのは嬉しいですね。うみファームは2021/6/7より、リニューアル工事のため営業が中止しているそうです。7月中旬にリニューアルオープンを予定しているそうですので、お楽しみに!

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